自宅でのダンベル筋トレで効率的に筋肥大するための一週間の部位分割プログラムを解説します。
■ダンベル筋トレの長所と短所
ダンベル筋トレは複数の筋肉を同時に高重量で鍛えるコンパウンド種目から、個別の筋肉をじっくり鍛えるアイソレーション種目まで種目数が豊富で、自宅筋トレでは中心となるトレーニング法です。また、バーベル筋トレよりも可動域が広くとれるというのも大きな長所です。逆に、片手でウエイトを保持するため安定が悪く、バーベルやマシンでの筋トレに比べると高重量が扱いにくくなります。また、ダンベルやベンチ類など器具をそろえる必要もあります。
■全身の筋肉部位名称と作用

筋トレで鍛える全身の筋肉部位は、その連動性・共働関係から以下のようにグループ分けでき、それぞれの筋肉の主な作用は以下の通りです。
●上半身プレス系の筋肉
・大胸筋:腕を前に押し出し閉じる・三角筋:腕を上・前・横・後ろに上げる
・上腕三頭筋:肘を伸ばす
・前腕伸筋群:手首を伸ばす
●上半身プル系の筋肉
・僧帽筋:腕を下から引き上げる・広背筋:腕を上・前から引き寄せる
・上腕二頭筋:肘を曲げる
・前腕屈筋群:手首を曲げる
●体幹周辺の筋肉
・腹筋群:体幹を屈曲・回旋させる・長背筋:体幹を伸展:回旋させる
・腸腰筋群:脚を前に上げる
・臀筋群:脚を後ろに上げる
●下半身の筋肉
・大腿四頭筋:膝を伸ばす・大腿二頭筋:膝を曲げる
・下腿三頭筋:足首を伸ばす
・前脛骨筋:足首を曲げる
なお、さらに詳しい筋肉部位の名称と作用については下記の記事をご参照ください。
筋肉名称と作用および鍛え方|筋トレで鍛える部位の名前と共働筋・拮抗筋
■大胸筋の筋トレメニュー

読みかた:だいきょうきん
英語名称:pectoralis major muscle 部位詳細:上部|中部(内側)|下部
起始:鎖骨の内側|胸骨前面第2~第6肋軟骨|腹直筋鞘前葉
停止:上腕骨大結節稜
●代表的筋トレ種目:ダンベルプレス

ダンベルプレスは大胸筋の基本ダンベル筋トレで、大胸筋を最大伸展させるために、できるだけダンベルを深く下ろすことが重要です。
また、ダンベルを肩よりも頭側で挙上すると肩関節に大きな負担がかかりますので、必ず方のラインよりヘソよりでダンベルを上下させるようにしてください。
なお、真上に挙げる動作で行うと大胸筋全体に、斜め上方軌道のインクラインだと大胸筋上部に、斜め下方軌道のデクラインだと大胸筋下部に負荷がかかります。
●筋トレメニュー一覧
ダンベルプレスインクラインダンベルプレス
デクラインダンベルプレス
リバースグリップダンベルプレス
ダンベルフライ
インクラインダンベルフライ
ダンベルプルオーバー
■背筋群の筋トレメニュー

読みかた:こうはいきん
英語名称:latissimus dorsi muscle 部位詳細:上部|下部
起始:下位第6胸椎~第5腰椎の棘突起・肩甲骨下角第9~12肋骨|正中仙骨稜・腸骨稜後方
停止:上腕骨小結節稜

読みかた:そうぼうきん
英語名称:trapezius muscle 部位詳細:上部|中部|下部
起始:後頭骨上項線・外後頭隆起・頚椎棘突起|第7頚椎・第1~3胸椎棘突起|第4~12胸椎棘突起
停止:肩甲棘・肩峰
●代表的筋トレ種目:ダンベルローイング

ダンベルローイングは背筋の基本ダンベル筋トレで、広い可動範囲があるため広背筋にも高い効果があります。胸を張り前を見ながら動作することで正しいフォームになります。下を向くと背中が丸まり、背筋群が完全収縮しなくなるので注意してください。
また、腰に不安がある場合にはフラットベンチに腹ばいになって行うベンチローイングがおすすめです。
ダンベルローイング
ダンベルシュラッグ
ダンベルプルオーバー
ダンベルリバースフライ
部位詳細:前部|中部(側部)|後部
起始:鎖骨外側前縁|肩甲骨肩峰|肩甲骨肩甲棘
停止:上腕骨三角筋粗面

また、腰に不安がある場合にはフラットベンチに腹ばいになって行うベンチローイングがおすすめです。
●筋トレメニュー一覧
ダンベルデッドリフトダンベルローイング
ダンベルシュラッグ
ダンベルプルオーバー
ダンベルリバースフライ
■三角筋の筋トレメニュー

読みかた:さんかくきん
英語名称:deltoid muscle 部位詳細:前部|中部(側部)|後部
起始:鎖骨外側前縁|肩甲骨肩峰|肩甲骨肩甲棘
停止:上腕骨三角筋粗面
●代表的筋トレ種目:サイドレイズ

ダンベルサイドレイズは三角筋の基本ダンベル筋トレで、特に三角筋中部を集中的に鍛えることが可能です。
三角筋は体幹の大きな筋肉(大胸筋・背筋群)に隣接しているため、反動を使ってトレーニングを行うと負荷が体幹に逃げてしまう、少しトレーニングが難しい部位ですので、重量を追求するのではなく、正しいフォームで確実に効かせるようにしてください。
ダンベルアップライトロー
ダンベルフロントレイズ
ダンベルサイドレイズ
ダンベルリアラテラルレイズ
ダンベルフェイスプル
部位詳細:長頭|外側頭|内側頭
起始:肩甲骨関節下結節|上腕骨後面|上腕骨後面
停止:尺骨肘頭

ダンベルフレンチプレスは上腕三頭筋の基本ダンベル筋トレで、肘の開き方により効果のある部位が変化します。
肘を開き気味で動作を行うと上腕三頭筋短頭に、閉じ気味で行うと上腕三頭筋長頭に負荷がかかります。
いずれの場合も、肩関節を動かさないようにしっかりと肘の位置を固定して行うの事が重要です。また、初心者の方は反動が使えないようにシーテッドスタイルで行うことをおすすめします。
ダンベルキックバック
ダンベルテイトプレス
部位詳細:長頭|短頭
起始:肩甲骨関節上結節|肩甲骨烏口突起先端
停止:橈骨粗面

ダンベルカールは上腕二頭筋の基本ダンベル筋トレで、グリップの仕方で効果のある部位が変化します。
手の平が上向きの通常グリップだと上腕二頭筋短頭に、縦持ちのハンマーグリップだと上腕二頭筋長頭に、リバースグリップで行うと上腕二頭筋の共働筋である上腕筋に負荷がかかります。
部位詳細:腹直筋|外腹斜筋|内腹斜筋|腹横筋
起始:恥骨稜・恥骨結合・恥骨結節|第5~12肋骨外面|胸腰筋膜深葉・上前腸骨棘・鼡径靭帯・腸骨稜|第7~12肋軟骨内面・鼡頚靭帯・上前腸骨棘
停止:剣状突起・第5~7肋軟骨外面|鼡径靭帯・腹直筋鞘前葉・腸骨稜外唇|第10~12肋骨下縁・腹直筋鞘・精巣挙筋|剣状突起・白線・恥骨

ダンベルレッグレイズは腹筋群の基本ダンベルトレーニングで、特に腹直筋下部に効果の高いトレーニングです。足を下ろしたときに腰を反らせると、腰椎に強い負荷がかかりますので、十分に注意して行ってください。
三角筋は体幹の大きな筋肉(大胸筋・背筋群)に隣接しているため、反動を使ってトレーニングを行うと負荷が体幹に逃げてしまう、少しトレーニングが難しい部位ですので、重量を追求するのではなく、正しいフォームで確実に効かせるようにしてください。
●筋トレメニュー一覧
ダンベルショルダープレスダンベルアップライトロー
ダンベルフロントレイズ
ダンベルサイドレイズ
ダンベルリアラテラルレイズ
ダンベルフェイスプル
■上腕三頭筋の筋トレメニュー

読みかた:じょうわんさんとうきん
英語名称:triceps 部位詳細:長頭|外側頭|内側頭
起始:肩甲骨関節下結節|上腕骨後面|上腕骨後面
停止:尺骨肘頭
●代表的筋トレ種目:ダンベルフレンチプレス

ダンベルフレンチプレスは上腕三頭筋の基本ダンベル筋トレで、肘の開き方により効果のある部位が変化します。
肘を開き気味で動作を行うと上腕三頭筋短頭に、閉じ気味で行うと上腕三頭筋長頭に負荷がかかります。
いずれの場合も、肩関節を動かさないようにしっかりと肘の位置を固定して行うの事が重要です。また、初心者の方は反動が使えないようにシーテッドスタイルで行うことをおすすめします。
●筋トレメニュー一覧
ダンベルフレンチプレスダンベルキックバック
ダンベルテイトプレス
■上腕二頭筋の筋トレメニュー

読みかた:じょうわんにとうきん
英語名称:biceps 部位詳細:長頭|短頭
起始:肩甲骨関節上結節|肩甲骨烏口突起先端
停止:橈骨粗面
●代表的筋トレ種目:ダンベルカール

ダンベルカールは上腕二頭筋の基本ダンベル筋トレで、グリップの仕方で効果のある部位が変化します。
手の平が上向きの通常グリップだと上腕二頭筋短頭に、縦持ちのハンマーグリップだと上腕二頭筋長頭に、リバースグリップで行うと上腕二頭筋の共働筋である上腕筋に負荷がかかります。
●筋トレメニュー一覧
読みかた:ふっきんぐん
英語名称:abdominal muscles 部位詳細:腹直筋|外腹斜筋|内腹斜筋|腹横筋
起始:恥骨稜・恥骨結合・恥骨結節|第5~12肋骨外面|胸腰筋膜深葉・上前腸骨棘・鼡径靭帯・腸骨稜|第7~12肋軟骨内面・鼡頚靭帯・上前腸骨棘
停止:剣状突起・第5~7肋軟骨外面|鼡径靭帯・腹直筋鞘前葉・腸骨稜外唇|第10~12肋骨下縁・腹直筋鞘・精巣挙筋|剣状突起・白線・恥骨
●代表的筋トレ種目:ダンベルレッグレイズ

ダンベルレッグレイズは腹筋群の基本ダンベルトレーニングで、特に腹直筋下部に効果の高いトレーニングです。足を下ろしたときに腰を反らせると、腰椎に強い負荷がかかりますので、十分に注意して行ってください。
●筋トレメニュー一覧
読みかた:だいたいしとうきん英語名称:quadriceps
部位詳細:大腿直筋|外側広筋|内側広筋|中間広筋
起始:腸骨下前腸骨棘・寛骨臼上縁|大腿骨大転子外側面・転子間線・殿筋粗面|大腿骨粗線内側唇|大腿骨前外側面
停止:膝蓋骨上縁・脛骨粗面|膝蓋骨上外側縁・頸骨粗面|膝蓋骨上内側縁・脛骨結節|膝蓋骨・頸骨粗面

英語名称:hamstrings
部位詳細:大腿二頭筋長頭|大腿二頭筋短頭|半膜様筋|半腱様筋
起始:坐骨結節|大腿骨粗線外側唇・外側筋間中隔|坐骨結節|坐骨結節内側面
停止:腓骨頭|腓骨頭|脛骨内側顆・斜膝窩靭帯|脛骨粗面内側
●代表的筋トレ種目:ダンベルレッグエクステンション

ダンベルレッグエクステンションは下半身の基本ダンベル筋トレで、特に大腿四頭筋に集中的な効果があります。膝を伸ばしたポジションで、つま先を手前に向ける動作を加えると、大腿四頭筋が完全収縮して効果が倍増します。
●筋トレメニュー一覧
ダンベルスクワットダンベルワイドスクワット
ダンベルフロントランジ
ダンベルサイドランジ
ダンベルレッグエクステンション
ダンベルレッグカール
■一週間の部位分割プログラム例

一日に全身全ての筋肉を鍛えると、筋肉の超回復には72時間以上が必要なので、週に多くて2回、一般的には1回しかトレーニングをすることはできません。また、全身の筋肉を同時に回復させるのは、栄養摂取の面からも難易度が高くなります。
このような筋トレのやり方は、かなり非効率なトレーニングプログラムであり、通常は全身を連動性の高い筋肉グループに分け、ローテーションで一週間をかけて全身を鍛えていきます。
これを部位分割筋トレ=スプリットトレーニングと言いますが、バルクアップ筋トレにおいては、筋肉を回復させる期間と栄養摂取の観点から、週2~3回に分割するのがもっとも効率的です。
●筋トレの正しい順番

筋トレを実施する場合に気をつけたいのが、筋トレの種目を行っていく順番です。その基本的な正しい順番は以下の通りです。
①複数の筋肉を使う種目(コンパウンド種目)
②高重量で行う種目
③単一の筋肉を使う種目(アイソレーション種目)
④低重量で行う種目
●週3回の部位分割筋トレメニュー
もっとも筋肥大に効率的とされているのが週3回の部位分割筋トレプログラムです。これは、連動性の高い筋肉群を効率的に鍛えられるだけでなく、超回復の観点からも言えることです。その分割例を以下に例示します。①上半身プレス系筋トレ+腹筋筋トレ
②下半身筋トレ
③上半身プル系筋トレ+長背筋筋トレ
●週2回の部位分割筋トレメニュー
やや効率は落ちますが、二分割のスプリットトレーニングも効果的です。その分割の仕方は以下の通りです。①上半身プレス系筋トレ+下半身筋トレ
②上半身プル系筋トレ+体幹系筋トレ
■具体的な一週間のダンベル筋トレプログラム例

最後に、ダンベルトレーニングでの具体的な一週間の3分割筋トレプラグラムを例示します。あくまでも一例ですので、体力にあわせてセット数を増減させてください。
○週一回目:上半身プレス系筋トレ+腹筋筋トレ
①上半身プレス系複合関節種目 ダンベルプレス・インクラインダンベルプレス・デクラインダンベルプレスなどを3セット前後②三角筋複合関節種目
ダンベルショルダープレス・ダンベルアップライトローなどを2セット前後
③上腕三頭筋種目
ダンベルフレンチプレス・ダンベルキックバック・ダンベルテイトプレスなどを2セット前後
④上半身プレス系単関節種目
ダンベルフライ・ダンベルフロントレイズ・ダンベルサイドレイズなどを3セット前後
①下半身の複合関節種目
ダンベルスクワット・ダンベルワイドスクワット・ダンベルフロントランジなどを3セット前後
②下半身前面の単関節種目
ダンベルレッグエクステンションを3セット前後
③下半身後面の単関節種目
ダンベルレッグカールを3セット前後
ダンベルスクワット・ダンベルワイドスクワット・ダンベルフロントランジなどを3セット前後
②下半身前面の単関節種目
ダンベルレッグエクステンションを3セット前後
③下半身後面の単関節種目
ダンベルレッグカールを3セット前後
○週三回目:上半身プル系筋トレ+腹筋筋トレ
②背筋の単関節種目
ダンベルシュラッグ・ダンベルリバースフライなどを3セット前後
③上腕二頭筋の単関節種目
ダンベルカール・ダンベルハンマーカール・ダンベルコンセントレーションカールなどを3セット前後
④腹筋トレーニング
ダンベルクランチ・ダンベルレッグレイズ・ダンベルサイドベントなどを3セット前後
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筋トレメニュー全種目一覧|部位別・器具別の一週間分割プログラムも例示